宮沢賢治(みやざわけんじ)

 1896(明治29)年、岩手県の商家に生まれる。鉱物・昆虫・天体などを愛し、哲学書や仏典を耽読し、また農学校の教師として学生をよく指導した。
『春と修羅』など心象スケッチともいえる詩集、東北の地方色豊かな『注文の多い料理店』などの童話を多数書いたが、自然や生き物といった題材といい、そこはかとなくユーモラスで宗教的かつ科学的な描写といい、ユニークな擬音・擬態語などを駆使した文体といい、単なる詩人や童話作家という肩書には収まりきらず、日本文学史に独自の地位を占める。
 作品はほかに詩『雨ニモマケズ』、童話『グスコーブドリの伝記』など。1933(昭和8)年、37歳の若さで他界したが、文学のみならず、映画や演劇、漫画、音楽、美術などにも広く影響を与え続けている。今年は生誕100年にあたり、生地の岩手県では「賢治生誕祭」が催される。